赤腹のお吸い物

奥会津の各地に伝わる伝統的なハレの日の行事食。腕からはみださんばかりの赤腹が圧巻。
春先に遡上してきた赤腹を串焼きにして乾燥させたものと凍み豆腐だけをダシにし、ネギと少々のしょうゆ・酒だけを加える。はらわたを残したままの赤腹からしみ出たほろ苦さがかくし味となり、滋味。

けえ餅

食料が乏しかった頃の代表的な代用食だが、火にかけて強く練ったそばは、ふうわりと空気をはらんで香り高い上品な一品である。
そぼ湯に浮かせて薬味を入れたタレにつけて食す。手打ちのそばとはまるで異なる性格に、一度食べたら忘れられない味となる。

こづゆ

会津全域で祝いの席に必ず登場する行事食。独特の平たい塗りの腕に盛られる。古文書には「重のもの」と記され、かつては汁気の少ない煮物のようなものだったのではないかと考えられるという。上品で味わいは、特別な日の特別な空気を作り出す不思議な料理である。

つの巻き

田植えが終わった岩井のサナブリに、まずはつの巻きを神棚に捧げ、人間も共食する。この日のために乾燥保存しておいた笹の葉は、生の葉よりもはるかに防腐効果が高いという。
笹の香りが移ったダンゴに、黄粉やジュウネンをつけて食す。この時期だけの行事食。

山椒ニシン

会津全域で作られる保存食。山椒の防腐力と風味が、身欠きニシンを特別の個性に仕立て上げる。会津の食の代表ともいうべき風格をもつ一品。これを漬け込むための本郷焼「ニシン鉢」は、用の美を極めて現在も同じ形が継承されている。